貿易と為替介入から見る為替相場|貿易収支・為替介入の仕組みとFXトレードへの活かし方を解説
為替相場の変動要因には金利や物価などいくつか挙げられますが中長期的な要因として貿易収支や政府による為替介入も見逃すことはできません。今回は貿易・為替介入が為替相場とどのような関りを持っているのか見ていきたいと思います。
この記事の内容
貿易と為替相場の関係
貿易の状況を見ることができるファンダメンタルズ分析の指標としては貿易収支があります。貿易収支は物資の輸出と輸入のバランスを示しており国の経済状況を図ることに役立ちます。
貿易黒字・赤字と為替相場への影響
| 状態 | 条件 | 為替相場への影響 |
|---|---|---|
| 貿易黒字 | 輸出額が輸入額を上回る | GDPを押し上げ・景気好転と評価。輸出で得た外貨を自国通貨に換える需要が高まり通貨価値が上昇する傾向 |
| 貿易赤字 | 輸入額が輸出額を上回る | GDPを押し下げ・景気悪化と見なされる。自国通貨を外貨に換える需要が高まり通貨価値は低下する傾向 |

実需勢や本邦実需という言葉をFX関連のニュースでよく見かけないでしょうか。これは投機が目的ではなく貿易に伴って為替市場で売買を行う参加者・取引のことを指します。輸出企業は獲得した外貨を日本円に交換して日本での経営に回すのでその際は円買いを行うことになります。ゴトー日(5と10の付く日)には海外送金のためドル需要が高くなることが多く仲値公開(9:55)前にドルが上昇しその後下落する動きが起こりやすいようです。
一方的な貿易黒字を縮小するため黒字国に対し通貨の引き上げが要請されることがあります。1985年にはG5で協力してドル安に誘導することを合意した会議(プラザ合意)がニューヨークで開催され結果として深刻な円高不況を招くこととなりました。近いものでは米中貿易戦争が世界経済にも影響を与えていることから貿易と為替相場は切っても切れない関係にあると言えるでしょう。
為替介入とは
景気や物価の安定化を図るため国や中央銀行が為替市場で売買を行うことがあります。これを政府による為替介入と呼び正式名称は外国為替平衡操作といいます。日本では財務大臣の指示により日銀が売買を遂行しています。急激な円高に対しては円売り介入・円安には円買い介入が行われてきました。
形態としては1国で行う単独介入と2カ国以上が連携して行う協調介入とがあります。1985年のプラザ合意は日本・米国・英国・ドイツ・フランスの5カ国によるドル売り協調介入で1ドル=240円台から150円台の円高ドル安を引き起こしました。
日本で最後に為替介入が実施されたのは2011年です。東日本大震災の影響から1ドル70円台の円高に陥っておりG7による電話会議で円売り協調介入が合意されました。このとき日銀やFRBは円売りドル買い介入・ECBは円売りユーロ買い・BOEは円売り英ポンド買いにそれぞれ動いたとのことです。
現在米国は自国の輸出に有利となるよう通貨安を誘導している国に対し為替操作国と認定し問題視しています。為替操作国と認定された国が改善策を取らない場合輸入品への高関税など制裁措置が科されるとのことです。口先介入とは実際の売買を行うことなく発言内容で為替相場の動きを変えようとするものです。
FXと貿易収支
日本では財務省が国際収支として発表しており、うち経常収支に含まれる貿易収支が注目されています。米国の貿易赤字は双子の赤字(貿易と財政)として深刻な問題となっておりマイナスが膨らんでいる状況です。EUは世界最大規模の貿易圏の一つで近年減少傾向ではありますが黒字推移を保っている状況です。貿易収支が好調な国の例としてはオーストラリアがあります。豊富な鉱物資源の輸出国で主な輸出相手国の一つに日本も含まれています。
2021/11/04 21:30・米国で注目度の高い指標が3件発表されましたのでその結果とトレード内容をご紹介します。
2021/11/04 21:30発表の米国指標結果
| 指標名 | 予想 | 結果 | 前回 |
|---|---|---|---|
| 前週分失業保険継続受給者数 | 211.8万人 | 210.5万人(改善) | 224.3万人 |
| 前週分新規失業保険申請件数 | 27.5万件 | 26.9万件(改善) | 28.1万件 |
| 9月貿易収支 | -805億ドル | -809億ドル(悪化) | -733億ドル |
雇用関係の指標はどちらも予想に対し減少(改善)の結果となりましたが貿易収支はマイナスがやや増加(悪化)の結果となりました。チャートは発表直後に少し上下しましたがローソク足が移動平均線を下回ったことを確認できたためショートでエントリーすることにしました。
使用ツール:外貨ex(Android版FXアプリ)/ 外貨ex byGMO株式会社 移動平均線設定値:短期線5 通貨ペア:USD/JPY(ドル/円) 1回の取引数量:1ロット(10,000通貨)

提供元:外貨ex byGMO株式会社
2021/11/04 22:13 113.879 売
2021/11/04 23:25 113.710 買 +1,690円
上位足は上昇トレンド中だったため目標は前日の安値とし到達できたところで決済しました。翌日に米国雇用統計発表を控えていたため短期決済できて良かったと思います。貿易・為替介入はともに為替相場に大きな影響を与える可能性が高いのですがどちらかと言えば中長期で見ていく要因と言えます。金融政策やGDPの結果に織り込まれることを念頭に置いて状況をチェックしておきたいですね。
今回はFXトレードの楽しみ方の一つとしてご紹介させていただきました。実際に取引される場合はご自身の責任においてお試しくださいますようお願い申し上げます。
ご覧いただきありがとうございました。